2019年4月に主要な改正規定の施行を控えた「働き方改革関連法」について、その主要な規定に対応する政省令等が、2018年9月7日の官報に公布されました。
インターネット版官報
https://kanpou.npb.go.jp/index.html
今回公布された政省令等のうち、特に重要なものは、次の省令と指針です。
- 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(平成30年厚生労働省令第112号)
- 労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第323号)
それぞれのポイントは、次のとおりです。
1.働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令のポイント
1.労働基準法施行規則の一部改正
- 労働条件の明示方法について、労働者が希望した場合には、ファクシミリ、電子メールその他の電気通信の送信の方法によることができるものとする。
- 時間外労働の上限規制について、次の事項等を定める。
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- 健康福祉確保措置の実施状況に関する記録を3年間保存しなければならないものとすること
- 36協定の届出様式など
- 年次有給休暇について、次の事項等を定める。
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- 通常の基準日より前の日に年次有給休暇を付与する場合の時季指定義務の考え方
- 使用者は、年次有給休暇管理簿を作成し3年間保存しなければならないものとすることなど
2.労働安全衛生規則の一部改正
- 産業医について、その辞任又は解任時における衛生委員会等への報告などを定める。
- 医師による面接指導の対象となる労働者の要件や研究開発業務に従事する者に対する医師による面接指導の方法などを定める。
- 労働者の労働時間の状況について、タイムカードによる記録、パソコンその他の電子計算機の使用時間の記録などの客観的な方法その他の適切な方法で把握するとともに、これらの方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し3年間保存するための必要な措置を講じることを定める。
2.労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針のポイント
36協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項その他の必要な事項を定める。
これで、働き方改革関連法による改正事項のうち、2019年4月1日施行分については、詳細を定める政省令等が出揃いました(ただし、高度プロフェッショナル制度に関する部分は、後日規定)。
過日、時間外労働の上限規制、年次有給休暇制度の見直しなどの改正規定ごとに、詳細を紹介していきます。