厚生労働省は、現在、労働基準法第15条で定められている労働条件の「書面」での通知について、来年の4月1日からFAXや電子メール等でも可能にし、規制を緩和させることを決めました。
書面として印刷できれば問題ないと判断したことによるもので、企業にとっては印刷や郵送にかかるコストや手間の削減ともなり、利便性が高まることが期待されます。
労基法施行規則を改正
具体的には、今年の9月7日に公布された働き方改革法関連法に基づく省令で、労働基準法施行規則第5条第4項に下記の下線部分が追加されました(2019年4月1日施行)。
労働基準法施行規則第5条
第4項法第15条第1項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。ただし、当該労働者が同項に規定する事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを希望した場合には、当該方法とすることができる。
1.ファクシミリを利用してする送信の方法
2.電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法(当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
本人の希望が条件
今回の規制緩和は、労働者がFAXや電子メール等での通知を希望することが条件となっています。本人に通知方法を確認し、FAXや電子メール等での受取りを希望しない場合は、今までどおり書面で通知しなければなりません。
また、電子メールで送信する場合の具体的なファイル形式(メールの本文または一定形式の添付ファイルに限られるのか、どちらでもよいのか等)や、本人が確実に受け取ったかどうかの確認の要否などについては、現時点では明らかになっていません。施行までになんらかの基準が示される可能性もありますので、注意が必要です。