厚生労働省が公表した令和2年の労働災害発生状況の取りまとめによれば、令和2年(1月~12月)の労働災害による死亡者数(以下「死亡者数」)は802人(前年比43人・5.1%減)と、3年連続で過去最少となりました。
一方、休業4日以上の死傷者数(以下「死傷者数」という)は131,156人(前年比5,545人・4.4%増)と平成14年以降で最多となっています。
死傷者の傾向
事故の型別としては、特に死傷者数が最多の「転倒」(前年比943人・3.1%増)、「動作の反動・無理な動作」(同1,412人・8.0%増)で増加しています。
また、年齢別では、60歳以上が全死傷者数の約4分の1を占め、34,928人(前年比1,213人・3.6%増)となっています。
転倒は、高年齢になるほど労働災害発生率が上昇しており、とりわけ高齢女性の労働災害発生率は高いとされています。休業見込み期間も年齢が上がるにしたがって長くなることから、今後の高齢化社会において、高齢者の労働災害は対応が必須な課題といえます。
新型コロナウイルス感染症の影響も
医療機関や介護施設などでの発生が8割弱に達しているそうです。
コロナ関連の労働災害は全体に占める割合としては小さいですが、職場でのクラスターも多発していることから、今後も引き続き申請件数も増えることが予想されます。先行きが不透明な中、企業もしばらくはコロナ感染防止対策への配慮が必要になってくるでしょう。
【参考】厚生労働省>令和2年の労働災害発生状況を公表
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18226.html