厚生労働省が、令和2年「労使間の交渉等に関する実態調査」結果(有効回答3,335組合。組合員30人以上の労働組合で、令和2年6月30日現在の状況等について調査)を公表しました。
同調査によれば、事業所に正社員以外の労働者がいる労働組合について、労働者の種類別に「組合加入資格がある」をみると、「パートタイム労働者」38.2%(平成30年調査35.6%)、「有期契約労働者」41.4%(同39.9%)、「嘱託労働者」37.4%(同35.6%)、「派遣労働者」6.1%(同5.2%)となっており、非正規社員に組合加入資格がある労働組合の割合が上昇していることがわかりました。
「同一労働同一賃金に関する事項」の話合いを持った組合が増加
過去1年間(令和元年7月1日~令和2年6月30日)に、正社員以外の労働者に関して使用者側と話合いが持たれた事項(複数回答)をみると、
「同一労働同一賃金に関する事項」40.5%(平成30年調査15.4%)が最も高く、
次いで「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」38.3%(同38.9%)、「正社員以外の労働者(派遣労働者を含む)の正社員への登用制度」23.8%(同24.4%)などとなっています。
働き方改革関連法による「同一労働同一賃金」が、本年4月から中小企業にも全面適用されました。
今後も「同一労働同一賃金」について話合いが持たれるケースは増えることが予想され、企業としても相応の対応が必要になるものと考えられます。
法改正への対応も
過去3年間(平成29年7月1日~令和2年6月30日)において、「何らかの労使間の交渉があった」事項をみると、
「賃金・退職給付に関する事項」74.9%(平成29年調査73.9%)、
「労働時間・休日・休暇に関する事項」74.1%(同72.2%)、
「雇用・人事に関する事項」61.0%(同60.2%)
などとなっており、労使間の交渉の結果、労働協約の改定または新設がされた事項(複数回答)は、
「育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度」37.5%(前回39.9%)、
「賃金額」37.1%(同36.0%)、
「賃金制度」33.3%(同34.3%)
となっています。
今国会で育児・介護休業法の改正法が成立したこともあり、育児・介護休業制度などは今後も見直しが予定される分野です。法改正の動きも注視しながら、企業としても早めに対応を検討していきたいところです。
【参考】厚生労働省>令和2年労使間の交渉等に関する実態調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/18-r02.html