2019年「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる人」(HbA1cの測定値が6.5%以上、または糖尿病の治療を受けていると答えた人。糖尿病有病者)の割合は、男性19.7%、女性10.8%。2009年以降で最も高い数値となりました。
現在、糖尿病有病者・糖尿病予備軍はいずれも約1,000万人いると推計されており、その数は増加傾向にあります。
就労と糖尿病
糖尿病は、治療への配慮がなされれば通常と変わりなく就労を継続することができる疾患ですが、治療せずに放置すると、重症化や重篤な合併症が起こります。治療の継続が何よりも大切です。
しかし、就労世代(20~59歳)の「糖尿病が強く疑われる人」のうち、治療を受けていない人は約4割にのぼります(2017年「国民健康・栄養調査」)。
その理由として「仕事が忙しい」が上位に挙げられており、事業者には、治療が適切に継続されるように支援することが求められます。
労働者が治療を継続できるようにするために
糖尿病の治療では、一般的には2週間から3か月ごとに、定期に受診することが必要となります。
薬物療法で自己注射が必要な場合などには、職場で衛生的な環境やプライバシーが確保できる環境が求められます。
また、糖尿病は生活習慣のみが原因で発症・悪化するものではありませんが、周囲の偏見・誤解が「必要な支援を申し出にくい」など治療の妨げとなることもあります。
主治医や産業医等の意見も聴きながら個別に対応を検討するとともに、上司・同僚に適切な情報を提供していくことが望ましいでしょう。
【参考】厚生労働省>治療と仕事の両立について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html