5月19日に「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が、衆院本会議で全会一致で可決・成立し、25日に公布、施行されました。
同法案は超党派の議員連盟で提出されたもので、以前から当事者団体や支援団体などが障害者の情報の利用におけるバリアフリー化や情報アクセシビリティ(情報やサービスの使いやすさ)の重要性を繰り返し訴えてきたことにより法制化が実現しました。
法律の概要
第1条(目的)には、障害者による情報の取得および利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に推進し、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することが定められています。
また、第3条(基本理念)には、障害者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策の推進にあたり、以下の事項が定められています。
- 障害の種類・程度に応じた手段を選択できるようにする
- 日常生活・社会生活を営んでいる地域にかかわらず等しく情報取得等ができるようにする
- 障害者でない者と同一内容の情報を同一時点において取得できるようにする
- 高度情報通信ネットワークの利用・情報通信技術の活用を通じて行う(デジタル社会)
さらに、条文には、国や地方公共団体、事業者等の責務、連携協力についても明記されています。
今後の課題
現在、日本では、点字や手話、音声などへの対応の遅れ、地域格差が生じています。今後はそれらの格差を解消すべく、情報通信技術を活用した役務を優先的に調達する制度の創設や相談窓口の設置、書類のバリアフリー化、災害時の情報保障、選挙における情報アクセシビリティの改善、資格試験など各種試験のバリアフリー化などの措置が検討されています。
【参考】内閣府>障害者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策の推進
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jouhousyutoku.html