厚生労働省の「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」が策定・公表されました。
本手引きに沿って、求職者等が求める情報と、企業が情報提供にあたって注意すべき点をみていきましょう。
求職者等が開示・提供を求める主な情報
(1)企業等・業務に関する情報
・企業等の安定性・事業、業務内容・入社後のキャリアパス等
(2)職場環境に関する情報
・在宅勤務、テレワークの可否・育児休業や短時間勤務等に関する制度
・職場の雰囲気や社風・社員の定着率等
(3)労働条件・勤務条件
・賃金(昇給等も含む)・所定外労働時間(残業時間)、所定労働時間
・有給休暇取得率・副業、兼業の可否・転勤の有無等
(4)その他【転職者の場合】
・経験者採用割合・経験者採用の離職率・研修制度
・オンボーディング制度等
(4)その他【非正規雇用労働者の場合】
・就職後のキャリア形成
・正社員転換制度の有無および正社員転換実績等
情報提供にあたってのポイント
・情報量が多くなりすぎないように注意する
・数値情報を提供する場合は、数値の定義を補足する
・更新時期や制度の利用実態などもあわせて正確な情報を提供する
・実績が低調であっても、改善に向けた取組みや今後の方針とあわせて情報提供する
「しょくばらぼ」の活用
中小企業においては、
「若者雇用促進総合サイト」
「女性の活躍推進企業データベース」
「両立支援のひろば」
に掲載されている企業等の情報を求職者等に総合的・横断的に提供するウェブサイト「しょくばらぼ」の活用を推進しています。
幅広い情報提供が可能となるほか、ハローワークインターネットサービスと連携しているため、より少ない作業負担で求職者等に対する情報提供ができます。
個人のニーズが多様化する中、労働者とのミスマッチの防止や人手不足の解消に向けて、職場情報を適切に開示・提供することが有効です。そこで、よりよい採用活動のための参考となるよう策定されたのが、この手引です。
厚生労働省は、入社前後の職場に対する印象のギャップを解消することで、労働者の離職率低下やエンゲージメント向上の一助となることが期待できるとしています。
採用のミスマッチを防いで、労働者の離職率低下やエンゲージメントの向上に役立てましょう。
【参考】厚生労働省>「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を策定しました
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00013.html