帝国データバンクが行った「103万円の壁」引上げに対する企業アンケート(有効回答企業数1,691社)において、回答した企業の9割近くが「103万円の壁」の見直しに賛成していることが明らかになりました。
「103万円の壁」とは、
年収が103万円を超えると所得税が発生し、配偶者控除の対象から外れることを指すものです。
この壁を超えていないことを配偶者手当の支給要件としている企業もあります。
そのため、この壁を意識して働き控えをするパートタイム労働者が多く、企業にとっても人手不足の一因となっています。
今回の調査では、67.8%の企業が「103万円の壁」の引上げに賛成し、21.9%の企業が「撤廃すべき」と回答しました。
つまり、合わせて89.7%の企業が現行制度の見直しを求めているとわかります。
アンケートでの主な意見
企業からは、
「壁を引き上げることでパートタイム労働者の働き控えが解消され、人手不足の解消につながる」
との声が多く寄せられています。
昨今の最低賃金上昇により、103万円までの労働時間が短くなっていることの影響もうかがえます。
また引上げが実現すれば、「減税効果により消費活動が活発化する」という期待もあります。
その一方で、「社会保険料の106万円・130万円の壁もあるので、所得税のみの見直しでは働き控えは残る」という意見や、財源をどう確保するかについて心配する声も見られます。
最新動向を注視し対応策を
103万円をはじめとする「年収の壁」を巡っては、法改正に向けた動きが加速する可能性があります。
企業は最新の動向を注視し、従業員が安心して働けるよう適切な対応策を講じることが重要です。
【参考】帝国データバンク>「103万円の壁」引き上げに対する企業アンケート
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241114-1-03mwall/