厚生労働省から
「不妊治療と仕事両立できていますか?-両立支援ガイドブック-」
が公表されています(令和6年12月6日)。
これは、不妊治療を受ける方は増加傾向にあるものの、
仕事と治療の日程調整が難しいことなどから、不妊治療と仕事の両立で悩む方が多くいるため、その解決のためのヒントになるように作成されたものです。
以下、ガイドブックを参考に、会社ができるサポート等について紹介していきます。
不妊治療サポートのために会社ができる支援
「不妊治療のために利用可能な休暇・休暇制度」として、不妊治療に特化した休暇制度・休職制度、
不妊治療に特化しないが不妊治療も対象となる休暇制度を設けることなどがあります。
「両立を支援する柔軟な働き方に資する制度」としては、
フレックスタイム制度、時差出勤制度、短時間勤務制度、テレワーク制度、残業の制限
などがあります。
そのほかにも、
不妊治療費に対する補助制度・貸付制度、
人事労務担当者、産業医等に相談できる体制の整備などがあります。
両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)
不妊治療と仕事との両立に資する職場環境の整備に取り組み、不妊治療のために利用可能な休暇制度や両立支援制度を労働者に利用させた中小企業に対する厚生労働省の助成金です。
不妊治療連絡カードの活用
不妊治療連絡カード(厚生労働省)は、不妊治療を受ける、または今後予定している従業員が、会社に不妊治療中であることを伝えたり、治療のために会社の両立支援制度等を申請したりする際に活用することを目的としています。
従業員本人が主治医等から治療に必要な配慮事項を記入してもらいます。
職場での配慮のポイント
不妊治療を受けていることを「職場に一切伝えていない(伝えない予定)」という人は47.1%います(厚生労働省「令和5年度不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」)。
職場でオープンにしていない理由(複数回答)として、
「伝えなくても支障がないから」(37.1%)が最も多いものの、
「周囲に気遣いをしてほしくないから(33.0%)、
「不妊治療が上手くいかなかった時に職場に居づらいから」(27.7%)、
「不妊治療をしていることを知られたくないから」(25.7%)
といった声があります。
不妊や不妊治療に関することは、プライバシーに属するとともに機微な問題のため、本人から相談や報告があった場合でも、本人の意思に反して職場全体に知れわたってしまうことがないようプライバシーの保護に十分配慮が必要としています。
ご不明な点などございましたらお声掛けください。
【参考】厚生労働省>不妊治療と仕事両立できていますか?-両立支援ガイドブック-
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/241206-1.pdf