
社会情勢・雇用環境が変わるなか、労働者一人ひとりが自身のキャリア形成を自律的に行うことが重要になっています。また、従業員のキャリア形成や能力開発を支援することは、採用強化・定着・離職防止の観点からも、事業主にとっても重要です。
一方で、厚生労働省が昨年6月に公表した「能力開発基本調査」の結果において、「キャリアコンサルティングを行うしくみを、正社員に対して導入している事業所」が41.6%(前回より3.6ポイント低下)であったことや、「能力開発や人材育成に関して、何らかの問題があるとする事業所」は79.8%と大きな割合を占めたことなどからも、企業が従業員のキャリア形成支援に苦慮している・施策が不十分な現状がうかがえます。
厚生労働省「グッドキャリア企業アワード」とは
厚生労働省は、従業員の自律的なキャリア形成支援を行っている企業を表彰し、その理念や取組内容などを広く発信することでキャリア形成支援の重要性を普及・定着させることを目的に、「グッドキャリア企業アワード」を実施しています(平成24年度から27年度までは「キャリア支援企業表彰」として実施。平成28年度に「グッドキャリア企業アワード」に呼称を変更。これまでに103社を表彰。なお、令和2年度以降は隔年で実施)。
今年は、大賞(厚生労働大臣表彰)5社、イノベーション賞(厚生労働省人材開発統括官表彰)10社が選ばれました(昨年11月に発表)。
受賞企業の取組事例
同アワードのウェブサイトでは、「受賞企業の“人が育つ仕組み”」として、受賞企業の取組事例を公表しています。
例えば以下のような取組みについて、その内容や理念、実際の効果などがまとめられています。
- 経営層との議論の場づくり、マネジメント研修の実施
- 多様な研修受講機会の提供
- 退職理由の分析と活用
- キャリアコンサルタントの活用
- 1on1面談の実施
- 能力評価の実施
- 資格取得支援制度の導入
上記の取組事例では、さまざまな業種・規模の事例が掲載されており、参考になるところもあると思いますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
ご不明な点などございましたらお声掛けください!
【参考】厚生労働省>グッドキャリア企業アワード
https://www.mhlw.go.jp/career-award/
【参考】厚生労働省>令和5年度『能力開発基本調査』の結果を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00159.html